
パワーポイントの
品質と生産性を向上させる
デザイン・テンプレート
― 2025年8月版 ―

パワーポイント用デザイン・テンプレートの2025年8月版を公開しました。今回の主な変更点は「デザインルール編|ワイド画面(16:9)版」の位置付けの見直し、およびデザインパーツ・サンプルスライドの整理・拡充です。これまでよりもディスプレイ上での閲覧・オンライン会議での使い勝手を重視して、各要素のサイズ感やレイアウト・設定値の再調整を行なっています。ぜひダウンロードして試してみてください!
当サイトの「デザイン・テンプレート」とは
当サイトのテンプレートを初めて利用する方向けに。プレゼンデザインでは、パワーポイント用のデザイン・テンプレートを2012年のサイト開設後間もない頃から無償公開しています。
一般的なデザイン・テンプレートとは少し毛色が異なり、デザイン済みのスライドの提供に加え、スライドサイズや色・フォントの選び方、余白の取り方など、プレゼン資料の基本的な構成要素にデザインルールを定義、それらの表記方法を解説しているのが特徴です。あらかじめ整理されたルールに沿うことで、デザイン初心者でもまとまりのあるビジュアルをすばやく作成しやすくなります。
また、提案書や企画書・各種報告資料などビジネスパーソンが日頃取り組むプレゼン資料に向けた簡潔なデザインに振り切っていることもポイントです。そのため人目を特別惹きつけるような華やかさはありませんが、一方プレゼンの要である情報整理・ロジック構築に一層集中できます。
何はともあれ、まずは実際に見ていただくのがオススメです。以下のリンクより誰でも無料でダウンロードいただけます。
2025年8月版の主な変更点
― 2024年版との違い ―
続いては当サイトのテンプレートを使い慣れている方向けに、前回(2024年版)との比較の視点で、2025年8月版テンプレートの主な変更点を5つ紹介します。
ワイド画面版テンプレートの「位置付け」を見直しました
当サイトのデザイン・テンプレートには「A4版」と「ワイド画面(16:9)版」があり、これまで後者はプロジェクター投影や大型のディスプレイでの表示といった「情報の受け取り手がスライドを遠目に見る」ケースを意図してフォントサイズやレイアウトの調整を行っていましたが、これを「手元のディスプレイでの見やすさを重視する」よう変更しました。




背景は「オンライン会議の浸透」です。コロナ禍以降オンライン会議が身近になり、多数の参加者がいる会議でも、スライドを手元のディスプレイで閲覧できる機会が増えたのではないでしょうか? 一方資料を大型のスクリーンに投影したり、あるいは印刷して配布する機会は、以前に比べて減ったと思います。ついてはワイド画面版テンプレートの日常使いを重視し、デザインの再調整を行なった形です。
具体的にはフォントサイズをやや小さくし、併せてスライドの要素位置を再調整しています。実際のスライドはテンプレートに含まれていますので、ぜひダウンロードして直接チェックしてみてください。
「ワイド画面(16:9)版」の位置付けの見直しは、前回(2022年3月版→2024年版)の際既に取り組み始めていましたが、今回の2025年8月版ではっきりと「手元のディスプレイでの見やすさを重視する」方針に振り切っています。
標準のテーマカラーの変更
今回、標準のテーマカラーを変更しました。これまではメインカラーに「明るいブルー」、アクセントカラーに「赤(朱)」を使用していましたが、これをそれぞれ「暗いブルー」と「オレンジ」に差し替えています。


従来のメインカラーは明るく目立ちやすい色ではあったものの、その一方で少し鮮やか過ぎる嫌いもあったかもしれません。今回のメインカラーは暗く落ち着いた色になったことで日常使いのビジネス文書にも馴染みやすくなっているかと思います。ただし、テキストカラー(濃いグレー)との見分けはつきにくくなったため、この点については調整しながら利用してください。
なお今回サブカラーについても併せて変更が入っており、従来の薄いグレーから、少しベージュがかった色に変わっています。
カラーサンプルが加わりました
今回デザイン・ルール編に「カラーサンプル」が加わっています。掲載している色は、過去バージョンのデザインテンプレートで使用していた色と、プレゼンデザインの「X(旧Twitter)」に投稿したデザインノウハウ画像からピックアップしました。

プレゼン資料で使う色はテーマカラーの中でやりくりするのが原則ですが、込み入った図解などではやはり色が足りなくなると思います。色はゼロからバランスを整えようとすると意外に手間がかかるため、「取り急ぎテーマカラーのほかに色が必要!」というとき、参考にしてみてください。
デザインパーツ集に新しい要素が加わりました
デザインパーツ集に以下の要素を追加しています。「7. 線・矢印 B」では地味な更新ではありますが「L字型」の線を収録しました。同様の表現は線2本を組み合わせても可能ですが、ひとつの要素にまとまっていれば、細かな位置合わせに時間をとられずに済むことがあると思います。図解の引き出し線などでの利用がおすすめです。
サンプルスライドの変更・追加
これまでサンプルスライドは「A4版」だけの提供でしたが、今回「ワイド画面(16:9)版」を追加しました。今後はA4のみならずワイド画面の資料作りの際にも、参考になれればうれしいです。
なお、本サンプルスライドでは、同じ情報をA4とワイド画面の両スライドで表現しており、各スライドサイズの特性を知る参考資料としても利用できるかもしれません。「A4」だからこそやりやすい/やりにくい要素の配置や、「ワイド画面」ゆえに柔軟に対応できる/割り切らなければならないポイントというものが存在します。時間があるときにでも、ぜひ見比べてみてください!






















その他の変更点
- フッター(コピーライト表記/ページ番号)の位置をわずかに上方に移動。ページ番号についてはフォントサイズを9ptから11ptに変更。
- 線および枠線の標準的な太さを0.5ptから0.75ptに変更。矢印の形状を変更。
- デザインルール編に、整列の手段として「配置」機能に関する説明を追記。
ダウンロード
テンプレートは、当サイトのテンプレート配布ページからダウンロードできます。以下のリンクよりお進みください。
最後に
筆者は長らくA4サイズのスライドに慣れ親しんできましたが、ここ数年「印刷する」機会がめっきり減り、利用しているのはもっぱら「ワイド画面(16:9)」になりました。ワイド画面はデザインの自由度が高い反面レイアウトの難易度が上がり、決して初心者向きのサイズではないものの、これも時代の流れかもしれません。もし「ワイド画面のデザインに戸惑っている」ということなら、今回のテンプレートのサンプルをご覧いただくか、当サイトの記事「パワポで16:9のスライドのデザインが整う、たったひとつのコツ|A4・4:3のスライドを使い慣れた人向け」をチェックしてみてください!