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今回は、当サイトの筆者がパワーポイントの資料作りを効率良く進めるために「あえて」やっていることを7つ紹介します。本当にちょっとした/些細なTIPSかもしれません。でも、これらを実践すれば今までよりもすばやく、そして何よりストレス無く作業を進めやすくなりますよ!

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当記事の動画版はこちら。

01
TIP|テキストボックスの代わりに角丸四角形を使う

まず1点目は「テキストボックスの代わりに角丸四角形を使う」です。実は、筆者はもう何年もパワーポイントの普通のテキストボックスを使用していません。文字を書き込むときに使うのは常に「図形の角丸四角形」です。理由は後々の選択肢を増やすため。たとえば、

  1. 1|いったんはテキストをこの色で書いてみたけれども、やはり変えよう
  2. 2|このテキスト、枠で囲んだらどんな見え方になるだろうか
  3. 3|やはり角丸に…

 ポイントはこの3です。普通のテキストボックスを使った場合、3の選択肢をとることはできません(図形の作り直しもしくは変更が必要)。しかし、あらかじめ角丸四角形にテキストを入力しておけば、図形左上にあるハンドル(黄色い円)を操作することで、すぐに角丸に変更できます。自分が手軽に取れる選択肢を増やしておくことで表現の幅が広がり、ひいては情報の伝わりやすさを高める効果が期待できますよ。

なお、テキストボックスとして角丸四角形を使うことのデメリットですが「図形の左上をドラッグして、図形の位置や大きさを変えることができない」が挙げられます(角丸の程度の調整になってしまう)。ただ、筆者はこのデメリットよりも、選択肢が増やせることのメリットを優先しています。

02
TIP|パワポ標準の矢印の代わりに、三角形・線を使う

プレゼン資料では欠かすことのできない要素である「矢印」。そしてパワーポイントで矢印といえば「図形の矢印(ブロック矢印)」を使うのが、自然な流れと思います。しかしこの矢印、扱いを面倒に感じたことはありませんか?

 というのも、この矢印にはハンドルがふたつ付いており、頭の三角形の大きさや、根本の線の太さを細かく調整できます。ただそれだけに、形が崩れやすくもあるのです。しっかり調整すればいいという話ではあるものの、できればずぼらなままでも、ある程度の見た目を保ちたいところ。

 そこでおすすめなのが図形の「三角形(二等辺三角形)」もしくは「線(端を矢印型にしたもの」です。三角形なら形状がシンプルなぶん細かな調整に手間取ることもありませんし、線なら頭の部分の形状はほぼ固定、大きさは線の太さで調節できます。日常的に利用する図形こそ、より手軽に扱えるものに置き換えてみてはいかがでしょうか。

03
TIP|枠囲いは複数の要素を重ねずに、枠線に直接文字を書く

皆さんはパワーポイントでテキストを囲んでみせるとき、どんな囲み方をしているでしょうか? もし「枠線とテキストをそれぞれ別の要素で作成し、重ねている」としたら、 ぜひ別のやり方に切り替えるようにしてください。具体的には「枠線となる要素(図形)に直接テキストを書き込む」のがおすすめです。

 理由は編集にかかる手間です。たとえば、枠線とテキストを別要素とした場合、後から枠線の大きさを変更すれば、余白が過剰に広くなったり、テキストが枠線からはみ出してしまいます。枠線とテキストはあくまで別要素ですから、たとえグループ化しても、キレイな体裁を保ち続けることはできません。

 一方、枠線の要素に直接テキストを書き込んでおけば、後から枠線のサイズを変えてもテキストが自動で折り返され、余白もそのままキープできます(ただし、あらかじめ「テキストに合わせて図形のサイズを調整する」機能をONにしておく必要があります)。要素の数が数個程度ならとくに気にする必要はありませんが、図解などでこの手のものを10個、20個と組み合わせたとき、編集の手数が増えるか否かは、決して無視できない問題です。

 プレゼン資料はビジネスの企画構想段階から使用される文書。頻繁な変更はもちろん、提出間際に「やはり直したい」といったことも当たり前のように発生します。できる限り直しやすい・簡単には崩れない作りを意識してみてください。

なお、本TIPSは、何が何でも重ね合わせ表現を避けるべきだ、とはいいません。図解などで表現の都合上、どうしても図形/テキストを重ね合わせなければならないときがあるからです。重ね合わせしなくても済む(テキストをシンプルに囲むだけ)ときは、枠線とテキストをひとつの要素にセットにしておきましょう、という話です。

04
TIP|箇条書きの行頭記号はテキストで作らず、パワポの機能で付与する

プレゼン資料おなじみの「箇条書き」。誰もが知っているポピュラーな表現形式ですが、ぜひ注意してほしいポイントがあります。それは箇条書きの「作り方」。行頭記号をテキストの記号―たとえば「●(丸)」や「■(四角形)」「・(中黒)」で付与しているとしたら、それはあまりおすすめしません。代わりにぜひ「パワーポイントの箇条書き機能」を使うようにしてください。

 理由は改行部分の処理(字下げ)です。テキストの記号を使ったものでは、折り返された行の先頭が記号に被ってしまっています。このままでももちろん内容を理解することはできますが、視線が左右にずれてしまい、決して読みやす状態ではありません。一方パワーポイントの箇条書き機能を使ったものでは、折り返された先頭部分が同じ位置で揃っており、テキストをスムーズに目で追っていくことができます。

 ちなみに、テキストの記号で行頭記号を付与したとしても「手動改行(SHIFT+改行)」や「半角/全角のスペース」を組み合わせて、無理やり折り返し部を揃えることはできますが、これもやはりおすすめしません。なぜならテキストボックスのサイズを変更したときに(とくに横幅のサイズを小さくした場合に)、レイアウトが崩れてしまうからです。

 特に難しいことは何もありません。箇条書きを作るときは、パワポ標準の機能を使うだけ。それだけで箇条書きをキレイにすばやく扱えるようになりますよ。

行頭記号をテキスト/パワポの機能で作った場合の比較

以下は「行頭記号をテキストで作り、字下げをSHIFT+改行と全角スペースで整えた場合」と「パワーポイントの機能で箇条書きを作った場合」の比較です。テキストボックスの横幅を縮小した際、前者はレイアウトが崩れ、後者は整ったままであることがわかります。

行頭記号をテキストで作った場合
行頭記号をテキストで作った場合
パワーポイントの機能で箇条書を作った場合
パワーポイントの機能で箇条書を作った場合
05
TIP|表はテキストボックスを並べずに、パワポの「表機能」を使う

箇条書き同様、ビジネス文書で外すことのできない表現形式といえば「表」です。行と列で作られた2次元のマトリクスは、さまざまな情報を手軽に整理することができ、ときには新しい気づきまでももらたしてくれます。

 そして、そんな表ですが、よく見かけるのは「複数のテキストボックスをマトリクス状に配置した」もの。もちろん、そうした方がうまく表現できるケースもありますが、筆者はできる限り「パワーポイントの表機能」をおすすめします。

 理由はやはり編集にかかる手間です。上記左の例を見てください。こちらはテキストボックスを並べて作った表ですが、一部内容の修正を行った結果、テキストボックスのサイズが変化し、テキストボックス同士が重なった状態になっています。これでは表に何か手を入れるたびに要素の再配置が必要になってしまい、あまり効率的とはいえません。一方右側、パワーポイントの機能で作った表は、セルに記載されたテキストの量に応じて枠線の位置が自動で調整されるため、内容の修正をすばやく行うことができるようになっています。

 そのほか、表機能にはセル同士を結合/分離したり、セルの高さや幅を一括で揃えるなど、かゆいところに手が届く機能が用意されています。パワーポイントで情報をマトリクス上に見せるなら、ぜひ表機能を押さえておくことをおすすめします。

表をテキストボックスを並べて/パワポの機能で作った場合の比較

以下は「表をテキストボックスを並べて作った場合」と「パワーポイントの表機能で作った場合」の比較です。前者ではテキストボックスに文字を追記したとき、テキストボックス同士が重なっていますが、後者では罫線の位置が自動で調整されています。

表をテキストボックスを並べて作った場合
表をテキストボックスを並べて作った場合
パワーポイントの表機能で作った場合
パワーポイントの表機能で作った場合
06
TIP|文字の位置合わせにスペースは使わず、パワポの表機能で揃える

皆さんはメールなどでテキストを揃えて見せたいとき、半角スペースや全角スペースを使って文字の位置を合わせたことが必ずあると思います。しかしパワーポイントで同じようにテキストの位置を揃える場合、その方法はおすすめしません。なぜなら、パワーポイントには要素の位置を整えるための機能があらかじめ用意されているからです。

 たとえば、箇条書きのように行頭記号を付与して短文を書き並べるなら「箇条書き機能」、行と列のマトリクスで情報を並べて見せるなら「表機能」があります。ツールが元々準備している機能があるならば、シンプルに使っておくのが得策です(機能によっては、使い勝手がイマイチなものもありますが…)。少なくとも、スペースを使ったテキストの位置合わせは、資料作りの手間を増やしてしまう恐れがあるため、避けた方が賢明です。

 とはいえ、絶対に使うなともいいません。ほんの一部、わざわざパワポの機能を適用する方が手間になるケースなら、うまく組み合わせて資料作りを進めるようにしてください。

07
TIP|文字を記載するだけのテキストボックスは、余白を「ゼロ」にする

パワーポイントでテキストボックス(ないし図形)を挿入したとき、標準では必ずテキストボックスに一定の余白(上下の余白:0.13cm/左右の余白:0.25cm)がついてきます。そして、もしテキストを書き込むだけ(囲まない、塗らない)なら、この余白は無くしてしまう(0cmに設定する)のがおすすめです。

 理由は、要素の位置合わせが簡単になるからです。たとえば、上記のように画像の横幅に合わせてテキストボックスの横幅を調整する場合、余白があると、その分下駄をはかせて揃えなければなりません。一方余白をゼロにしたものでは、画像の端とテキストボックスの端を単純に揃えるだけ事足ります。

 しかももし、パワーポイントの「スマートガイド機能」を有効化した状態なら(スマートガイドは要素同士の端の位置を検出して、吸着してくれる機能です)、余白ありの場合はこの吸着があだとなり、むしろキレイな位置合わせが難しくなってしまいます。しかし、あらかじめ余白をゼロにしておけば、スマートガイドを使ってスムーズに位置合わせを進められるようになります。

tips

以上7点、筆者がパワーポイントの資料作りを効率良く進めるために「あえて」やっていることのご紹介でした。プレゼン資料作りではなかなか意識されにくい「効率(作りやすさ・直しやすさ)」ですが、資料作りが単にラクになるだけでなく、プレゼンの内容をすばやく変更したり、またビジネスの方針転換に柔軟に対応する上でも大切なポイントです。今回紹介したTIPSの中で気に入ったものがあれば、ぜひ取り入れてみてください!

プレゼンデザイン

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